736年(天平8年)に新羅の国に派遣された使節一行が往路筑紫の館に着いた時、はるかに 故郷の大和の方を望んで、一行の中の一人が詠んだ歌です。 一行の人たちは秋になったら帰ってくるからと家人に約束して出かけて来たのに、まだ新羅にも渡らず、やっと筑紫の館に着いたところで秋になってしまったので、この悲痛な歌を詠んだのです。 『筑紫の館』とは、『鴻臚館』の前身。 今よりは 秋づきぬらし あしひきの 山松かげに ひぐらし鳴きぬ 福岡市中央区城内1陸上競技場北側