次の日も、次の日も、桜は伐られません。伐採を請け負った業者さんの優しい執行猶予だったのでしょう。 そして、ジョギングで色紙を発見した暁の紳士の共感が、 地元新聞に伝えられて『短歌に託し命乞い』の記事となり、花を惜しむ歌や句が、 次々に檜原桜にかけれれました。 ・今年のみの 桜いとしみ 朝ごとに つぼみふくらむ 池の辺(へ)に佇つ ・春は花 夏は葉桜 幾年を なぐさめられし 並木道かな ・うたにたくし 花のいのちを こう人の なさけ拡ごる 春はかなしも ・眼底に(まなぞこ) さくらをやどす ランドセル 詠みびと知らずが枝につるした、数十種の色紙や短冊が春風にゆれるさまは、 さながら王朝時代の観桜の宴の風情でした。 次へ |
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檜原(桧原)桜歌碑 |